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宗教と子ども

親の信仰の影響を受けて育った多くの「宗教2世」たちが声を上げ始めています。

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「信教の自由」は免罪符か? 宗教社会学者が語る2世虐待

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世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=東京都渋谷区で2022年10月

 旧統一教会の問題をきっかけに、親の信仰の影響を受けて育つ「宗教2世」が信仰を背景とした虐待を訴えている。宗教社会学を専門とする北海道大大学院の桜井義秀教授は、「子どもの権利を大事にしない『信教の自由』はない」と毅然(きぜん)とした対応の必要性を指摘しつつ、宗教文化の意義にも目を向けるよう訴えている。【聞き手・堀井恵里子】

 ――信仰を持つ親から受けた虐待として、どのような訴えがあるのでしょうか。

 ◆エホバの証人と旧統一教会に関わるものが多い。エホバの証人は輸血を拒否するよう信者に求めている。両親は信仰があって輸血せずに亡くなることも辞さないが、子どもにまで輸血させないのかという問題が、1980年代くらいから指摘されてきた。今は「しつけ」という形の身体的な暴力が批判されている。

 旧統一教会で大きな問題は、合同結婚式に参加させようとすることだ。さらに、教団への献金の要請が極めてきつくなり、家庭にお金がなくなって、子どもが進学できないという話も出てきている。

駄目なものは駄目

 ――子どもが児童相談所(児相)に相談しても、「信教の自由」を理由に児相が十分な対応をしていないとの指摘があります。

 ◆「信教の自由」の捉え方が間違っている。子どもに起きていることを…

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【宗教と子ども】

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