「人災じゃないのか」 東電強制起訴、指定弁護士側上告で遺族訴え
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東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(82)ら東電旧経営陣3人を無罪とした1月18日の東京高裁判決を不服として、検察官役の指定弁護士側は24日、最高裁に上告した。
◇
今回の強制起訴公判の被害者44人のうちの1人で養母の玉子(たまこ)さん(当時88歳)を亡くした福島県川内村の建設業、渡部武さん(71)は指定弁護士の上告を受け「もし最高裁で結果(無罪)が同じになっても、(東電旧経営陣には)申し訳ないと謝りに線香を上げに来てほしい」と話す。
父の妹にあたる玉子さんは原発事故当時、同県大熊町の双葉病院に隣接する系列の介護老人保健施設「ドーヴィル双葉」にいた。「死ぬ時は川内がいい。帰りたい」。事故前の2011年1月にはそう話していたという。3歳で養子となった渡部さんは、春には帰宅できるよう準備していた。
玉子さんは事故直後の3月14日午前10時半ごろにバスで施設を離れ、同県南相馬市と福島市を経由し、午後10時ごろにいわき市の高校体育館に到着。その後、県内の会津方面に避難中の16日、急性心筋梗塞(こうそく)で亡くなった。医師によると、長時間の避難で複数の合併症を引き起こしていたという。
渡部さんは2審の無罪判決について「このままでは『自然災害だからしょうがない』という話で終わってしまう」と危機感も募らせる。車椅子生活だったが、まだまだ元気だった「お母ちゃん」は、人災で亡くなったのではないのか。今も納得できないでいる。【松本ゆう雅】
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