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WBC2023

第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が2023年3月に開幕。

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侍ジャパン記者通信

「あのいたずらっ子が」侍ジャパン内定ヌートバーとの不思議な縁

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高校日本代表として米国に遠征した塩沢佑太さん(右)と船橋悠さん(左)。中央がラーズ・ヌートバー選手=塩沢さん提供
高校日本代表として米国に遠征した塩沢佑太さん(右)と船橋悠さん(左)。中央がラーズ・ヌートバー選手=塩沢さん提供

 あの小さないたずらっ子が――。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む野球日本代表「侍ジャパン」に日系選手として初めて加わる米大リーグ・カージナルスのラーズ・ヌートバー選手(25)。強肩強打の外野手として期待される新星は、日米親善高校野球で日本代表選手がホームステイした家庭のかわいい少年だった。侍ジャパンとは「運命の糸」でずっとつながっていた。

 屈託のない笑顔に、15年以上前の記憶が鮮明によみがえった。かつての仲間から送られてきたLINE(ライン)の画面には、ヌートバー選手の日本代表入りの可能性を伝えるニュースが映し出されていた。「ありきたりな言葉だけど、奇跡みたいなものを感じますね」。感慨深げに振り返るのは、東京ガスで広報を務める塩沢佑太さん(34)だ。

 2人の出会いは、塩沢さんが東京・帝京高3年の2006年にさかのぼる。夏の甲子園で2本塁打を放つなど強打の外野手として活躍した塩沢さんは、日米親善高校野球の日本代表として田中将大投手(楽天)や元日本ハムの斎藤佑樹さんらと一緒に米国に遠征した。その際、東京・早稲田実高3年だった船橋悠さんとともにホームステイをしたのがヌートバー家だった。

 米ロサンゼルスの空港では一家が「Welcome(ようこそ) 船橋君 塩沢君」と書かれた手作りのボードとともに迎えてくれた。末っ子で当時8歳のヌートバー選手は、最初はもじもじと恥ずかしがっていたが、すぐに懐いた。「アメリカ映画で見たことのある、ちっちゃい悪ガキ」が塩沢さんの第一印象。いたずらもたくさんするが、どこに行くにも後をついてきて、夜の自主練習では塩沢さんたちと一緒にバットを振った。「人なつっこくて、ずっとニコニコしていました。人柄っていうのかな。本当に愛される子でした」。ヌートバー選手は日本チームのバットボーイをしていたこともあり、その笑顔はメンバー全員の記憶に刻まれた。

 現地での限られた休日では、一緒にハリウッドや近くの海を訪れて異国の空気を満喫し、仲を深めた。帰国する日、空港で泣きじゃくっていたヌー…

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