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安保関連3文書閣議決定 政策転換の丁寧な説明必要=川口峻(政治部)

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与那国島で国民保護の際に島外への避難経路となる久部良港=沖縄県与那国町で2022年9月21日、川口峻撮影
与那国島で国民保護の際に島外への避難経路となる久部良港=沖縄県与那国町で2022年9月21日、川口峻撮影

 政府は昨年12月、外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を閣議決定した。相手国の領域内を攻撃する反撃能力(敵基地攻撃能力)を盛り込み、2027年度に防衛費と関連経費を合わせた予算水準を現在の国内総生産(GDP)比2%に増額する方針を示すなど戦後の安全保障政策を大きく転換するものとなった。一方、3文書は国際情勢の認識から開発・整備する装備体系まで論点も多岐にわたったが、議論は「生煮え」感がぬぐえず、有事の際の国民保護など実効性や現実性の観点から疑問が残る部分も少なくない。政府は通常国会で、国民の安全をどう守るのか丁寧に説明すべきだ。

 3文書は安保戦略のほか、防衛の目標や手段を示す「国家防衛戦略」、装備品の整備数量を盛り込んだ「防衛力整備計画」からなる。政策的に保有してこなかった反撃能力の保有にかじを切り、防衛費は23年度からの5年間で計約43兆円とすることとした。

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