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ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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ドイツ、ウクライナに戦車供与発表「全力で支援」 米も最終調整

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ドイツ製戦車「レオパルト2」=ドイツ・ハノーバー付近で2011年9月、AP 拡大
ドイツ製戦車「レオパルト2」=ドイツ・ハノーバー付近で2011年9月、AP

 ドイツのショルツ政権は25日、同国製主力戦車「レオパルト2」をロシアの侵攻を受けるウクライナに供与すると発表した。ポーランドなどレオパルト2の保有国による供与も承認する。欧米の軍事支援のレベルがより攻撃的な兵器に上がり、ウクライナ東部や南部での地上戦が激化する可能性がある。

 独政府は25日の声明で、まず14両のレオパルト2を供与するとした。ウクライナ軍に対する訓練を近く始めるという。ショルツ氏は声明で「全力でウクライナを支援するという我々の方針に基づいた決定だ」と述べた。米CNNによると、ピストリウス独国防相は、3カ月ほどで配備できると説明した。ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、ツイッターへの投稿で、ショルツ氏と電話協議したと明らかにし「ショルツ氏とドイツのすべての友人に心から感謝する」と書き込んだ。

 一方、複数の米メディアは24日、バイデン米政権も米軍の主力戦車「M1エーブラムス」約30両をウクライナに提供する方向で最終調整していると報じた。ドイツの判断を後押しするとともに、強力な火力を持つ兵器の提供で足並みをそろえる狙いがあるとみられている。

 ウクライナ軍はロシアに占領された領土奪還に向けた地上戦のため、欧米の戦車の供与を再三にわたり求めてきた。欧州では十数カ国がレオパルト2を計2000両以上保有する。各国が融通すれば負担は少なく、整備や訓練も柔軟にできることからウクライナに提供する最適な戦車とされている。

 ポーランドやフィンランドは、すでに自国が保有するレオパルト2をウクライナに供与する意向を示していた。製造国のドイツがこれを承認すると表明したことで、供与に道を開いた。

 ショルツ政権は当初、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の全面的な対立につながることなどを懸念し、供与や承認に慎重だった。しかし、欧州各国からはドイツに早期の決断を迫る声が強まり、供与を決定したとみられる。米独メディアは、これまでにショルツ氏が供与の条件として、米政府もエーブラムスの提供に踏み切ることを挙げていると報道していた。

 一方、米メディアによると、米国からウクライナに供与される方向で調整されているエーブラムスは約30両。ウクライナ軍への納入に数カ月から数年かかる可能性があるとしている。

 米国防総省も、これまではエーブラムスの提供には消極姿勢を示してきた。攻撃力の高い戦車の提供はロシアと欧米との緊張を必要以上に高めかねない。またレオパルト2などと使用する燃料が違い、維持管理も難しく、訓練にも相当の時間を必要とすることから「合理的な選択肢ではない」(同省のシン副報道官)と説明していた。米メディアによると、ホワイトハウスと国務省が、米欧の同盟関係に亀裂が入るのを避けるため、ドイツと歩調を合わせる形で主力戦車を供与する方向に傾いたという。【ブリュッセル岩佐淳士、ワシントン鈴木一生】

【ウクライナ侵攻】

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