古墳時代の「最高傑作」は盾と鏡のいいとこ取り 研究者ため息
毎日新聞
2023/1/25 17:01(最終更新 1/26 03:18)
有料記事
1616文字
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

「な、何やこれ?」。2022年12月、住宅街の一角で地肌をあらわにした山に、学生らの声が響いた。足元には1600年の眠りから覚めたばかりの盾形の板が鈍い光を放っている。おそるおそる取り上げ、直下の粘土層に顔を近づけると、幾何学文様が転写されているのが見えた。「ただの板やない」。水平な場所に運び、4人がかりでそっと裏返す。一瞬、時が止まったようだった。「おおー」「鼉龍(だりゅう)文だ!」。未知との遭遇に、学生たちのため息と驚きが交錯した。
精緻な文様 国産オリジナル
富雄丸山古墳(奈良市、4世紀後半)から出土した鼉龍文盾形銅鏡は、盾と鏡の要素を「いいとこ取り」…
この記事は有料記事です。
残り1334文字(全文1616文字)