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コロナ感染で共通テスト追試、前年の8.6倍 「第8波」が影響

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共通テストの追試験を許可された受験生 拡大
共通テストの追試験を許可された受験生

 大学入試センターは25日、新型コロナウイルスへの感染で大学入学共通テストの本試験(14、15日実施)を受けられず、追試験に回る受験生が1833人で前年(213人)の8・6倍になったと明らかにした。社会全体が行動制限のない日常へと切り替わる中、感染によって進学に影響が生じかねない受験生も多い。専門家は「受験生に対しては、接触に気を付けてあげてほしい」と呼びかける。

 共通テストは全国870の大学や短大などが合否判定に使用している。追試験(28、29日)は、体調不良や試験会場に向かう道中の事故など、やむを得ない理由で本試験を受けられなかった受験生が対象となる。約51万人が志願した今年は3893人に追試験が認められた。このうち新型コロナ関連は、感染者が1833人、濃厚接触者が305人(前年252人)だった。

 コロナ関連の追試対象者が急増したのは、共通テストが流行「第8波」に重なったのが背景にある。1月前半の新規感染者数は、前年は多い日でも全国で3万人に満たなかったが、今年は20万人超の日が続くことも。行動制限の緩和が進み、帰省や会食などコロナ禍以前と変わらない年末年始を送った人が増えたことも感染者の増加に響いた。

 共通テストの感染対策では、試験当日に受験を認めない発熱基準を「38度」に引き上げるなど前年から一部緩和したが、感染者や症状のある濃厚接触者だけではなく、発熱やせきなど複数の症状がある受験生にも追試を申請するよう求めている。大学入試のコロナ対応は文部科学省のガイドラインに沿って作られるため、各校も共通テストと類似の対策を取るとみられる。

 受験生やその家族が感染すれば、試験を受けられなくなったり、複数校の受験なら入試スケジュールを組み直す必要が生じたりしかねない。感染に伴う追試や救済措置は大学ごとの個別試験でも申請が可能だが、併願先の試験と追試の日程が重複するケースもある。

 受験生がいる家庭では「厳戒態勢」のコロナ対策が続いている。高校3年の長女(18)が大学入試に挑んでいる名古屋市の女性(45)は「本人や家族が感染したら、追試を受けなければならない。スケジュールの調整に追われることになる」と話す。家族で感染者が出れば、長女には近くのホテルに泊まり込んでもらうつもりだ。コロナ禍以前のような日常が戻りつつあることは歓迎するが、「その方々が感染対策をしないまま、受験生や家族には接触しないでほしい」と願う。

 国立大の情報系学部を志望する東京都内の男子生徒(18)は、滑り止めで三つの私大に願書を提出。いずれも2月中旬までに試験があり、共通テスト直後から試験対策に追われている。「試験が集中している時期に感染すれば予定も狂うし、勉強の時間もなくなってしまう。外出は塾に行く時だけにしている」と話す。

 ベネッセ教育情報センターの谷本祐一郎センター長は、共通テストで追試に回るのは「心理面に与える負担が大きい」としつつも「国公立の個別試験対策での挽回は可能だ」と言う。

 追試に回る受験生は共通テストの受験そのものが2週間遅れるため、2月から本格化する私大一般入試や、同月下旬に控える国公立の個別(2次)試験の対策にかける時間も減る。それでも、谷本さんは「受験校に合わせた演習問題に取り組む数を増やすなど、的を絞った勉強をすれば本試験の受験者と大きくは変わらない対策を取ることが可能だ」とアドバイスする。

 コロナ禍からの社会活動の再開と、受験生の機会確保のバランスをどうとればいいのか。感染症に詳しい関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「受験生に対しては、高齢者や基礎疾患を持つ人などと同様、接触に気を付けることが望ましい。今後はより感染性の強い変異株が広がる可能性もある」と指摘。年明け前に始まる総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜も増えており、「年内入試など複数の受験機会を活用することが、コロナ対策の上でも有効だ」と話す。【李英浩、森田采花】

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