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ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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アメリカ、ウクライナに主力戦車供与へ 軍事支援は新たな段階に

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ウクライナへの主力戦車供与を発表するバイデン米大統領=米ホワイトハウスで2023年1月25日、AP 拡大
ウクライナへの主力戦車供与を発表するバイデン米大統領=米ホワイトハウスで2023年1月25日、AP

 バイデン米大統領は25日、ホワイトハウスで演説し、ロシアの侵攻を受けるウクライナに米軍の主力戦車「M1エーブラムス」を供与すると発表した。ドイツも同日に主力戦車の供与を表明しており、これまで慎重だった戦車の供与で米独が足並みをそろえた。ウクライナの領土奪還に向けて米欧の軍事支援は新たな段階に進んだ形だ。

 バイデン氏は同日に英独仏伊の首脳と電話協議し、ウクライナへの全面的な支援に向けて緊密に連携することを確認した。演説では「米欧は支援で十分に、徹底的に、完全に結束している」と強調。春に向けてウクライナ軍が反撃の準備を進めているとし「機動力を向上させ、ロシアの侵略を抑止し防衛する永続的な能力が必要だ」と説明した。

 供与する予定のエーブラムスは31両で、ウクライナ軍の戦車大隊1個分にあたるという。ウクライナ兵に対し、維持管理や操縦の訓練などをウクライナ国外で実施する。ただ、米軍の余剰在庫から供与する緊急の支援ではなく、米政府が新たに戦車を調達する形をとる。そのため、実際にウクライナ側に引き渡されるのには数カ月以上かかるとみられている。

 米政府に先だって、ドイツのショルツ政権も欧州で広く保有されているドイツ製戦車「レオパルト2」の供与を表明。ポーランドなどの保有国による供与も承認した。高い攻撃力を誇る戦車の供与は戦闘を激化させ、反発したロシアと米欧との直接的な衝突につながりかねない。ドイツのみが突出して供与に踏み切ることを懸念したショルツ政権は条件として、米政府によるエーブラムス供与を挙げていたとされる。

 バイデン政権もこれまでウクライナ側から再三要請がありながら、供与は控えてきた。特に国防総省は、高性能のエーブラムスは維持管理が難しく、訓練にも相当の時間がかかるとして慎重な姿勢を見せていた。しかし、レオパルト2の供与に二の足を踏むドイツに対して北大西洋条約機構(NATO)内から批判の声もあがっていたことから、バイデン政権は米欧の同盟関係に亀裂が入るのを避けるため方針転換した。【ワシントン鈴木一生】

【ウクライナ侵攻】

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