「時代の転換点」戦車供与決断のドイツ 平和主義も、経済も
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

ロシアがウクライナに侵攻を始めた昨年2月24日以降、欧州の安全保障政策は激変した。各国は侵攻を自らへの脅威とみなし、ウクライナへの軍事支援を加速した。象徴的なのはドイツだ。戸惑いながらも第二次大戦の反省に根ざす反戦・平和主義を転換し、米国に背中を押される形で、主力戦車の供与にも踏み切った。
政治の地殻変動、ためらうショルツ氏
「何が正しく、何が間違っているのかは誰も教えてくれない。だからこそ我々は一歩一歩前進していくことが必要だ」。ドイツのショルツ首相は25日、連邦議会で演説し、ウクライナへのドイツ製戦車「レオパルト2」の供与を発表した。
レオパルト2は、ウクライナの戦況に大きな影響を与える可能性がある。東・南部でロシア支配地域の奪還を目指すウクライナ軍にとって、露軍が築いたざんごうなどの防御を突破するには機動力と強力な火力を兼ね備えた戦車の投入が不可欠だ。
英国が先に主力戦車「チャレンジャー2」の供与を発表したが、欧州で同戦車を保有しているのは英国のみ。これに対し、レオパルト2は欧州十数カ国が計2000両以上を保有。ポーランドなどの保有国もすでに提供する意向を表明しており、各国が融通すれば大規模な戦車部隊の編成も可能だ。春先にはロシアによる大規模攻勢が予想されている。訓練期間を踏まえると供与の可否を最終判断する「デッドライン」が間近に迫っていた。
だが、ショルツ氏は、ぎりぎりまで決断をためらっていた。高い攻撃力を持つ兵器の供与でロシアとの対立が決定的になるのは回避したい――。そんな思惑とともに影響したのが自身の政治理念だ。
…
この記事は有料記事です。
残り2557文字(全文3230文字)
時系列で見る
-
ロシア、アフリカ諸国と関係強化 国際批判に対処(1月28日)
60日前 -
北朝鮮の金与正副部長、ウクライナへの米戦車供与を批判
60日前 -
欧米供与の戦車は「300両超」 駐仏ウクライナ大使
61日前 -
アフリカ諸国と関係深めるロシア プーチン政権の狙いは
61日前 -
ホロコースト式典にロシア招かず 主催者「また欧州で大量殺りく」
61日前 -
ゼレンスキー氏「中立旗は血で汚れている」 IOCのロシア選手復帰検討に
61日前 -
ジョコビッチ父、露国旗持つ人と撮影 全豪テニスで持ち込み禁止
61日前 -
スペイン郵便物爆弾、74歳を逮捕 ウクライナ支援の中止狙いか
61日前 -
米独の戦車供与に反発 露が攻勢を強める(1月27日)
61日前 -
「時代の転換点」戦車供与決断のドイツ 平和主義も、経済も
62日前深掘り -
ウクライナ各地にロシアの攻撃、11人死亡 電力インフラ狙う
62日前 -
米、ワグネルを「国際犯罪組織」に指定 6個人と12団体に制裁
62日前 -
ウクライナ各地にミサイル攻撃 キーウで1人死亡、2人負傷
62日前 -
米独のウクライナへの戦車供与 ロシア反発、長期戦にらみ対抗の構え
62日前 -
侵攻長期化、IOCには予想外か 露などの五輪復帰、突然の検討
62日前 -
バイデン氏、米欧関係の亀裂懸念か 戦車供与へ方針転換
62日前 -
森元首相の「いいの」発言に政府は 「ウクライナ支援を強力に推進」
63日前 -
ロシアのGDP成長率は-3.5% ウクライナは-36% 国連発表
63日前 -
ウクライナ・オデッサを世界遺産登録 ロシアの侵攻で危機遺産に指定
63日前