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高校野球の聖地に「清原」が帰ってくる。今春の第95回記念選抜高校野球大会の出場校が27日に発表され、大阪・PL学園高時代に甲子園で春夏通算最多13本塁打を放った清原和博さんの次男・勝児(かつじ)選手(1年)がいる慶応(神奈川)が、センバツ切符をつかんだ。「父も活躍した夢の舞台。自分も立ってみたい」。強打者の息子として注目される中、父からもらった、ある助言を大切にしてきた。
昨秋の関東大会で本塁打
勝児選手は右打ちの三塁手で、2022年の秋季関東大会の打順は「6番」か「7番」だった。名門・PL学園高の4番だった父のようなスラッガータイプではない。173センチ、80キロの体格で、好機で犠打のサインが出ることもある。ただ、絶好のタイミングで球をとらえた時の飛距離と、狙い球を一発で仕留める勝負強さは父と重なる。

昨秋は神奈川大会で満塁本塁打を打ち、関東大会の1回戦でも父が見守る前で左翼ポール際に豪快な一発を放った。前の打席で打ち取られた内角球に狙いを絞り、2ボールから仕留めた。「高校野球でお父さんの前で打つのは初めてなので、球場で見せられて良かった」。笑顔で声を弾ませた。
父はPL学園高時代に5季連続で甲子園に出場し、優勝と準優勝が各2回。桑田真澄・巨人ファーム総監督と「KKコンビ」と呼ばれたスターだった。ドラフト1位でプロ野球・西武に入団し、巨人、オリックス時代を含めて歴代5位の通算525本塁打を放った。常に注目される重圧を抱えながら、チームを何度も日本一に導いた。
勝児選手も試合に出るようになった昨秋から「清原ジュニア」として一気に注目を集めた。高校野球雑誌の表紙を飾り、大会に出場すれば活躍しなくても取材に呼ばれた。それでも常に優しいまなざしで、楽しそうに明るくハキハキと質問に答える姿が印象的だ。
「注目されるのは分かっている」

勝児選手は父からの助言を胸に刻んでいる。「氣」「己を信じて」「リラックス」「センター返し」。帽子のつばの裏には和博さん直筆の四つの言葉がある。
「氣」には「絶対に打ってやるという気持ちを出し、投手に気持ちで負けるな」という父の思いが込められている。
「己を信じて」「リラックス」「センター返し」は「誰しも緊張するのは当たり前。センター返しを意識し、地に足を着けて野球をしてこい」という父からのメッセージだ。勝児選手はその言葉をベンチ裏で確認し、打席に立つ。
「注目されることを気にしてプレーしてしまう悪い面がある。注目されるのは分かっているので、自分のメンタルでプラスに変えたい」。ユニホームの左肩の裏には「お父さんの気持ちが込められたセンター返しを思い出せるように」と西武時代にヘルメットにつけていた背番号「3」のワッペンが縫い付けてあるという。

東京都出身。慶応幼稚舎(小学校)時代に少年野球チームの「オール麻布」に入り、6年生の時に選抜チームの「ジャイアンツジュニア」でプレーした。慶応普通部(中学校)時代は「世田谷西リトルシニア」に所属。慶応高では昨秋からレギュラーになり、チームの5年ぶり10回目のセンバツ出場に貢献した。兄・正吾さん(20)も慶大野球部でプレーしている。
目標は「チャンスに強い父のような選手」になることだ。小学5年生の頃から、甲子園で活躍する父の映像を見ることが増えた。快音を響かせながら放物線を描く豪快なアーチは目に焼き付いている。
「自分にしかできないプレーもある。がむしゃらに元気よくやるのが持ち味なので、そこをどんどんやっていきたい」。「清原」のフルスイングが再び甲子園を沸かせる。【浅妻博之】
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