連載

特集ワイド

「人だかりがする」ニュースを目指して、読み応え十分の記事をラインアップ。

連載一覧

特集ワイド

この国はどこへ これだけは言いたい 北方領土、「山」動く機会に備えよ 拓殖大特任教授・名越健郎さん

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
会談の冒頭に握手する安倍晋三首相(右、当時)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領=山口県長門市で2016年12月15日(代表撮影)
会談の冒頭に握手する安倍晋三首相(右、当時)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領=山口県長門市で2016年12月15日(代表撮影)

拓殖大特任教授 名越健郎さん 69歳

 ロシアのプーチン大統領が描いた「短期決戦」のもくろみは外れた。来月で1年となるウクライナ侵攻は、日本にも大きな影響を及ぼしている。ウクライナを支持する日本とロシアの関係は悪化し、北方領土問題は暗礁に乗り上げた。ロシア研究が専門の拓殖大特任教授の名越健郎さん(69)は「侵攻が終わらないと、ロシアと交渉はできない。でも、戦況はどう動くか、世界情勢がどうなるか。それをにらみながら、交渉再開のタイミングを検討しておくことが重要です」と説く。

 名越さんにも、戦争がいつまで続くかは読めない。「ロシアは制圧した地域を自らの領土と認めさせたい。しかし、ウクライナは絶対にのむことができない。交渉の余地もないのです。北大西洋条約機構(NATO)がウクライナを全面的に支援するというような大きなサプライズがないと、戦争は終わらないでしょう」

 そして名越さん、もう一つの可能性をあげた。今回の侵攻は「プーチンの戦争」であり、プーチン氏が大統領から退けば、停戦もしくは終戦へと向かうというのだ。来年3月にロシア大統領選、同年春にはウクライナ大統領選も控える。「選挙に影響を与えるため、戦いが今年どう展開するかが非常に重要です」と力説する。

 ロシア紙の報道によれば、プーチン氏は5期目への準備を始めたという。ウクライナでは、政府高官が昨年末に出演した国内のテレビ番組でゼレンスキー大統領の再出馬を期待する意向を示している。とはいえ、戦況次第では、大統領選が行われない可能性もあるだろうし、…

この記事は有料記事です。

残り2754文字(全文3407文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集