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違和感を感じた。いや、違和感しか感じなかった。久しぶりに見かけたその人は、スキンヘッドがトレードマークだったはずだが、フサフサとした頭髪があり、若返っている。ネット検索すると、公式ブログでカツラを着け始めたことを公表し、しかも、カツラをネタにした動画をアップしている。違和感を解消しようと、冬季オリンピックメダリストで衆院議員を務めるその人に会いに行った。【高山純二】
四半世紀悩み続けた末
札幌市から車で約2時間。全国有数の温泉地、登別温泉で知られる北海道登別市の中心街にその人の事務所はあった。国会議員でスキンヘッドといえば、元衆院議員の松浪健四郎氏の「ちょんまげ」と同じくらい知られているのではないだろうか。1994年リレハンメル五輪スピードスケート男子500メートル銅メダリストで自民党衆院議員の堀井学氏(50)=比例北海道ブロック=だ。
堀井氏は若いころから、細くて柔らかい、いわゆる「猫っ毛」だったという。スケートのタイムを縮め、結果を出すと、テレビや新聞に取り上げられる。しかし、「髪形が『落ち武者』みたいになり、自分の出ているニュースも見たくなかった」。24歳の時、「格好悪い髪形で出るよりも、思い切ってそった方が良い」と決断し、すべての髪をそり上げた。それ以来、四半世紀にわたってスキンヘッドを続けてきた。
リレハンメルを含め3大会連続で五輪に出場。その後、北海道議を経て衆院議員に転身した。うらやましい限りの輝かしい経歴だが、本人は絶えずスキンヘッドへのコンプレックスを感じていたという。「スキンヘッドにした当時、『ヤクザみたいだからやめろ』と言われた。地下鉄に乗っても、僕の両サイドは誰も座らない。『怖い』『近寄りがたい』という印象を持たれてしまい、本当に嫌で嫌でたまらなかった」。周囲の視線が冷たく感じられ、悩み続けてきた。
安倍氏も「いいね」
転機は2022年2月、節目となる50歳の誕生日を迎えてからだ。…
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