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地球温暖化、ビールの味が変わる前に 品種改良や技術開発急務

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サッポロビールの研究ほ場。地球温暖化が進んだ将来の気候にも耐えうるホップの品種改良を目指しているという=北海道上富良野町で2022年8月26日、道下寛子撮影
サッポロビールの研究ほ場。地球温暖化が進んだ将来の気候にも耐えうるホップの品種改良を目指しているという=北海道上富良野町で2022年8月26日、道下寛子撮影

 地球温暖化は、世界の農作物の生産現場で品質低下や収量減といった被害をもたらし、今後深刻化が懸念される。影響を受けるのは酒の原料も例外ではなく、ビール業界はホップの品種改良や栽培技術の開発を急いでいる。

高温や乾燥「苦みや香り減る」

 北海道中央部の上富良野町にあるサッポロビールの研究ほ場では、新品種の「親」となりうる数千種類ものホップを栽培する。夏には高さ約5・5メートルに育ち、淡い緑色の「球果」を実らせる。この球果がビール特有の苦みや香りを生む成分を含んでいる。

 同社の分析によると、世界の平均気温が産業革命前より2度を大きく超えて上昇した場合、ホップの主要産地である欧州と北米で2050年の収穫量が18年より5%以上減少する恐れがある。既に近年、欧州では高温や降水量不足で収穫量が減った年があるという。

 「高温や乾燥が著しいと、苦みや香りも減ってしまう」(同社原料開発研究所の鯉江弘一朗・主任研究員)。温暖化が進んでも収穫量や品質が維持できるホップ開発は避けては…

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