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尾上菊五郎聞き書き/39 いがみの権太 すっきりとした悪人、善に戻る

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「すし屋」の菊五郎のいがみの権太(1986年6月歌舞伎座)=松竹提供
「すし屋」の菊五郎のいがみの権太(1986年6月歌舞伎座)=松竹提供

 少年期から共に芸の研さんに励んできた盟友、十代市川海老蔵の十二代市川團十郎襲名興行は1985年4、5、6月の3カ月続けて東京・歌舞伎座で催され、菊五郎はそのすべてに同座した。

 「にぎやかな興行で、彼も一段ステップアップしたように感じ、立派な役者になったなと思いました。初代菊五郎は二代團十郎に引っ張られて大坂から江戸に出ました。團十郎家には恩がありますし、江戸歌舞伎のすごい家だと思います」

 その一方、もう一人の盟友、初代尾上辰之助の体調は悪化しつつあった。86年の「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部で菊五郎は新作歌舞伎「甲斐源氏夢旗挙」(大森棋平作、二代尾上松緑演出)の武田信虎をつとめたが、当初は辰之助が予定されていた役であった。

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