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支局長からの手紙

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「お客さん」の舌打ち /徳島

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アイゴ。漁師からも無視されがちだが、実はマダイ以上にうまいかも=和歌山県すさみ町立エビとカニの水族館で、竹内之浩撮影
アイゴ。漁師からも無視されがちだが、実はマダイ以上にうまいかも=和歌山県すさみ町立エビとカニの水族館で、竹内之浩撮影

 釣り人は私も含め、自分が釣ろうと狙う魚種を本命と呼び、それ以外の魚が釣れると、ひとくくりに「外道」と呼んで邪魔者扱いしがちです。げどう。仏教徒が仏教以外の宗教をおとしめる汚い言葉で、口にしづらいので、私は「お客さん」と言い換えています。

 さて、人気魚種のチヌ(クロダイ)やグレ(メジナ)を狙って磯や堤防で釣りをすると、たまにアイゴという魚がお客さん(外道)で交じります。背びれなどの硬いトゲに毒を持つ嫌われ者で、市場で値段がつかず、漁師からも無視されがちでした。こうした魚は「未利用魚」と言われます。

 このアイゴをおいしく料理して食べようという試食会が、1月中旬に徳島県美波町でありました。この嫌われ者、実はおいしく、特に脂がのる冬場は絶品と聞いていましたが、実際に釣ってさばいて食べたことはありません。食欲にもかられて参加しました。

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