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地球温暖化に適応し、新天地で新しい地酒を誕生させている事例がある一方、兵庫県では伝統ある地元特産の酒米に気候変動の脅威が迫る。
倒れんばかりにこうべを垂れた黄金色の稲穂をコンバインが刈り取っていった。2022年10月中旬、兵庫県加西市の田で収穫を迎えていたのは、酒米の王者と言われる「山田錦」だ。
山田錦は1936(昭和11)年、兵庫県で開発された。全国各地で栽培されているが、中でも兵庫県産は誕生から90年近くたった今も、量や品質で他を圧倒している。
兵庫県によると、全国の山田錦生産量の約6割を県産が占め、全国の酒造会社の約3分の1にあたる500社以上が取り扱う。主産地は六甲山地北側の県中央部・北播磨地域で、中でも特定の地区で生産された山田錦は最も高値で取引され、鑑評会への出品酒など高級酒を醸す際に使われる。
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