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異次元の10年

日銀の黒田東彦総裁が2023年4月に任期満了を迎えます。黒田・日銀が展開した「異次元」の金融緩和の功罪を追います。

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異次元の10年

政府・日銀の物価目標 伊藤隆敏氏 「成功、失敗の両面ある」

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米コロンビア大の伊藤隆敏教授=本人提供
米コロンビア大の伊藤隆敏教授=本人提供

 政府・日銀が2%の物価目標(インフレターゲット)を掲げた共同声明の発表から今月で10年を迎えた。国内で早くから物価目標の導入を提唱してきた「第一人者」として知られる米コロンビア大の伊藤隆敏教授に共同声明と日銀の10年について聞いた。

 ――政府・日銀の共同声明は2013年1月に発表されました。現時点の評価を教えてください。

 ◆新型コロナウイルスの影響を除けば、日本の国内総生産(GDP)や失業率は改善し、デフレ(物価下落)からも事実上、脱却しました。一方で、10年が経過した現在も賃上げを伴う物価上昇は実現していません。成功、失敗の両面があります。

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