家族「4人」で紡ぐ島の味 亡き息子の名を屋号に、唐辛子商品作り

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自宅に構えた加工所で出荷作業をする白井三保子さん(奥)と長女の江莉さん=東京都大島町で2022年11月10日午前11時9分、千脇康平撮影
自宅に構えた加工所で出荷作業をする白井三保子さん(奥)と長女の江莉さん=東京都大島町で2022年11月10日午前11時9分、千脇康平撮影

 東京・伊豆大島の高校で農業を学んでいた17歳の少年が2004年に急逝した。喪失感の中、家族が手探りで始めたのが、島特産の唐辛子を使った商品作りだった。少年のあだ名にちなんだ「TARO′s」(タローズ)という屋号を掲げて事業を続けてきた家族の胸には、少年が生きた証しを残したいという思いがある。

 昨年11月初旬、島北部の港に近い民家にある加工所で、TARO′s代表の白井三保子さん(62)と長女江莉さん(37)が、刻んだ青唐辛子を入れたしょうゆの出荷作業に追われていた。大島町優良特産品のシールを瓶に貼り、丁寧に箱詰めする。三保子さんの夫長敏さん(66)を含めた3人で手作りしている。

 大島は火山島で水はけが良く、唐辛子が特産品だ。作っているのは、郷土料理「べっこう」(魚の唐辛子しょうゆ漬け)用の調味料など7種類。うち6種で赤く熟す前の青唐辛子を使う。むせるほど辛く、リピーターも多い「青唐がらし粉末」は、唐辛子を機械で20時間乾かして作る一品だ。三保子さんは誤って加工所に粉が舞った経験を振り返り、「大惨事。もうダメかと思った」と笑った。

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