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水は私たちの暮らしや産業に欠かせないが、大雨などで街中に水があふれると深刻な災害をもたらす。地球温暖化に伴って短時間強雨の頻度が増す中、雨水タンクと最新の技術を使って、水害対策と雨水利用の一石二鳥を目指す研究が進んでいる。
●豪雨対策にも
雨水をためる設備などを製造販売する「秩父ケミカル」の北関東事業所(水戸市)には、地下も含め大小四つの雨水タンクが設置されている。最も大きいもので容量4万リットル。一般的な浴槽の約200個分に相当する。雨水は事業所内の主にトイレの洗浄水として使用している。
福井工業大の笠井利浩教授らは、これらのタンクを約380キロ離れた福井市内の研究室などで常時監視している。タンクには水量センサーなどがあり、遠隔操作で排水、貯水できる。一部のタンクは民間気象情報会社の降雨予測情報に基づき、豪雨が予想されるときは事前に自動排水する。大気汚染物質やほこりが含まれる降り始めの雨は自動で除去し、さらにフィルターでほこりをこしたり、紫外線を当てて殺菌したりする機能を搭載する…
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