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センバツ高校野球 軌跡 作新学院/下 秋での課題、意識し鍛錬 奮起求められる投手陣 /栃木

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 昨年10月、さいたま市の埼玉県営大宮球場であった秋季関東大会の1回戦で駿台甲府(山梨)と対戦した作新学院は、川又楓(2年)が先発した。四回途中まで投げて3安打無失点。五回コールド勝利に貢献した。川又は、「テークバックを早くすることで、腕もしっかり振れるようになり、変化球が安定した」と手応えをつかんだ。

 9月の秋季県大会で作新は、計5人の投手が投げた。川又や磯圭太(同)の継投で優勝をつかんだが、小針崇宏監督は「よく抑えてくれた」と評価しつつ、「投手陣を整え、鍛えていくことが課題」と話していた。

 関東大会の2回戦、専大松戸(千葉)戦で川又は2番手としてマウンドに上がり、七回途中に降板した。直後に逆転されたところで全身がしびれ、過呼吸になった。気付いたら負けていたといい、「途中までリードしていて、自分が抑えていれば勝てた試合だった」と涙を見せた。

 ただ、三回から六回までは無失点に抑えるなど、意地は見せた。小針監督は「関東大会までに投げ方を修正して、県大会よりは自分のフォームで投げられるようになったことは、すごく大きかった」と話す。冬場は「下半身だけが太くて、上半身とのバランスが悪い」と、腕立て伏せや背筋など上半身のトレーニングに励んできた。小針監督も「意識高く自分を追い込んでやれているので、筋力がついた感じがする」と成長を認める。川又は「メンタルも自分の課題。関東で負けた悔しさを思い出して、絶対に春は勝つぞという気持ちで練習している」と力が入る。

 小川哲平(1年)も成長著しい。原動力となっているのは昨夏の悔しさだ。「準決勝で負けた瞬間、ベンチで見ていることしかできなかった。マウンドに立って何かすることはできなかったのか」

 8月の東北遠征で「新チームでエースになりたい」と小針監督に宣言。それまでは指示された練習をこなしていたが、「自分でメニューを考えて、どんな意味があるのかを考えてやるようになった」と話す。あまり好きではなかった階段の走り込みにも積極的に取り組み、下半身を重点的に鍛えた。

 専大松戸戦で先発し、三回途中まで投げて1失点。「鍛えて体力はついたが、自分の力を100%ボールに伝えられていない」と課題も見つかった。現在は、キャッチボールでしっかり指にかかっているかなど、時間をかけて一球一球意識を集中しながら投げることを心がけている。

 市川春之介(2年)、福冨竜世(同)も力をつけているが、「まだ全国で戦えるレベルではない」と小針監督。投手陣の奮起なくして、センバツで上位進出は厳しい。川又は、「エースの自覚を持ち延長になっても投げ抜いて、チームを勝利に導ける選手になりたい」と闘志を燃やす。【鴨田玲奈】

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