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第95回記念選抜高校野球大会への出場を決めた広陵は、2年連続26回目となる春の甲子園で4度目の頂点を目指す。スポーツライターの藤原史郎さんが、チームの力を分析した。
昨年に比べ、投手力は格段に上。そう思わせたのは、「入学してすぐに背番号1を渡したのは記憶にない」と、30年以上広陵で指揮を執る中井哲之監督が語った高尾響(1年)がいたから。昨年のセンバツに出場した時は、前年10月の中国大会でやっとエースが決まった。それに比べれば安心できた。172センチの右腕・高尾の魅力は最速145キロの直球と、強心臓。入学直後から堂々とした投球を見せ、取材にも強いまなざしでハキハキと答えるのが印象的だった。
新チームになった秋季県大会では、1回戦から準決勝まで4試合全てに先発した。決勝では八回から登板し、後続を抑えた。準決勝の広島新庄戦では六回途中までに5失点(自責点4)したが、県大会5試合に登板し、29回を投げ被安打17、29奪三振、自責点6、防御率1・86とエースらしい活躍をした。
高尾の右足甲疲労骨折が判明したのは、県大会終了後。19日後から始まった秋季中国大会では、倉重聡(2年)が1回戦に先発し、8回を被安打4、1失点と好投した。2戦目の準々決勝も先発して4回を被安打2、無失点で五回コールドの試合を演出。準決勝では、六回途中で降板したが自責点は1。決勝でも6回を投げ、被安打2の自責点ゼロだった。投手陣のピンチに、181センチの長身左腕が救世主となった。
左右のエースがそろった11月の明治神宮大会では、初戦を倉重が先発登板して8回を投げた。2試合目の準決勝では高尾が7回を投げ、共に好投した。決勝では、倉重が相手打線につかまり始めた五回途中に高尾がリリーフ登板。5-6の惜敗だったが理想とする投手リレーを見せた。
両投手に続くのが、右腕・横川倖(2年)。高尾の速球とスライダー、倉重のカーブとスライダーという得意球に対して、横川はチェンジアップが良く、県大会でリリーフを経験しつつ、決勝では先発を任されて好投した。中国大会、神宮大会でも好リリーフした。球速豊かで一昨年の神宮大会に登板経験がある岡山勇斗(2年)を県大会で、行武幸晟(2年)を神宮大会で登板させ、経験を積ませた。
これまでも広陵には毎年、将来性豊かな投手が多数存在した。現チームで中井監督は、これまでと違ってエースを決めて連投させた。県大会で高尾が経験を積み、中国大会では倉重がその働きをした。高尾の故障という災いから転じて、エースの責任感を持って投球した投手が二人そろった。そしてリリーフをしながら、虎視眈々(たんたん)とエースの座を狙う投手がいる。近年で最も高いレベルの布陣と思う。
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