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秋の県大会の3回戦で千葉経大付に打ち勝ち、波に乗るきっかけをつかんだ専大松戸。だが、その後は優勝候補の一角を占める難敵との戦いが続いた。
準々決勝の木更津総合戦は、選手たちにとって特別な試合だった。昨夏の準決勝で対戦し、惜敗した因縁の相手だったからだ。この試合を最後に引退した3年生は、その後も練習を手伝いに来てくれていた。「次は勝つ」。心は一つだった。
ただ、新チームには懸案があった。エースの平野大地(2年)が昨夏の大会後、背中に張りを訴えて実戦から遠ざかっていたことだ。秋の県大会直前にベンチ入りメンバーには滑り込んだものの、3回戦まで登板の機会はなかった。
持丸修一監督は、その平野を木更津総合戦でいきなり先発起用することを決断する。平野にとっては久しぶりの公式戦。しかもいきなり高いレベルの相手とあって、試合前は硬くなっていたという。だが、いざマウンドに上がると、緊張などなかったかのように躍動した。
「いつも通りいこう」。心を落ちつかせた平野は三回まで1人の走者も許さない完璧な立ち上がりを見せた。四回裏の2死二、三塁のピンチでは、勝負球の直球を力いっぱい投げ込み、見逃し三振に抑えた。その後も球威は落ちることはなく、最後までマウンドを守り抜いた。チームは因縁の相手に雪辱を果たすだけでなく、投手陣の柱の戦線復帰という大きな収穫を手に入れた。
続く準決勝の相手は昨夏の甲子園を経験した市船橋。優勝候補同士の一戦は互いに一歩も譲らず、延長戦へともつれ込んだ。
迎えた十一回表の攻撃。専大松戸は2死一、二塁の勝ち越しのチャンスを作った。ここで打席が回ってきた中山凱(1年)は、投手の顔がかすむほど緊張していたという。周りの音は一切耳に入ってこない。とにかく「打たなければ」の一心だった。
だが、頭の中は真っ白でも、練習は裏切らなかった。内角高めの直球に体が自然と反応した。打球は三塁線を破り、二塁走者が勝ち越しのホームを踏んだ。
その裏の相手の攻撃を抑え、ナインが歓喜に沸く中、中山の目には光るものがあった。決勝に進めなかった夏から成長できたという安堵(あんど)の涙だった。
▽県大会準々決勝(22年9月25日)
専大松戸 100022002=7
木更津総合 000000011=2
▽同準決勝(同10月1日)
専大松戸 02020000001=5
市船橋 01000003000=4
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