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ふじみ野医師射殺事件から1年 在宅診療、従事者守る環境を=成澤隼人(さいたま支局)

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事件の現場になった渡辺宏被告の自宅。母親の死が事件のきっかけになったとみられている=埼玉県ふじみ野市で2022年2月8日、成澤隼人撮影
事件の現場になった渡辺宏被告の自宅。母親の死が事件のきっかけになったとみられている=埼玉県ふじみ野市で2022年2月8日、成澤隼人撮影

 埼玉県ふじみ野市で、在宅医療を手がける医師が患者宅で殺害された事件から1年が過ぎた。事件をきっかけに、在宅医療や介護に携わる人たちが訪問先で受けるハラスメントの深刻な実態が浮き彫りとなり、各自治体は従事者の安全確保に向けた対策を強化し始めた。患者やその家族を孤立させないよう支えつつ、従事者が安心して働ける環境作りが急務だ。

 事件は2022年1月27日夜、渡辺宏被告(67)=殺人罪などで起訴=の自宅で起きた。「線香をあげに来てほしい」。被告は前日に病死した母親の診療を担当していた医師の鈴木純一さん(当時44歳)ら医療関係者7人を自宅に呼び出すと、死亡から約30時間たっていた母親の心肺蘇生を要望。断った鈴木医師らに散弾銃を発砲し、鈴木医師が亡くなった。

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