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日本の人口の8・4%に症状がみられるとされる片頭痛。その新薬が次々と現れ、治療の選択肢が広がっている。特に注目されているのが、片頭痛が起きる仕組みそのものに働きかける薬だ。「ここまで頭痛が激減する予防薬はなかった」。そう語る日本頭痛学会理事で、富士通クリニック(川崎市)の五十嵐久佳医師に薬の働きや課題を聞いた。
そもそも片頭痛はなぜ起きるのか。はっきりと分かってはいないが、有力とされている説が、脳を覆う膜にある三叉(さんさ)神経から放出されるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が関係しているというもの。CGRPが血管の壁にある受容体とくっつくと血管の拡張や炎症が起こり、その刺激が脳に伝わって痛みを引き起こすと考えられている。
この仕組みに着目した「CGRP関連抗体薬」が欧米で実用化されており、国内でも2021年、「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーグ」の3種類が承認・保険適用された。…
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