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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ロシア的人間=伊藤智永

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 「ロシアは今日、世界の話題である。人類の未来とか、世界の運命とか、人間的幸福の建設とかいう大きな問題を、人はロシアをぬきにしては考えることができない。肯定的にせよ、否定的にせよ、誰もがロシアに対して態度を決定することを迫られている」

 最近の文章のようだが、書かれたのは1953年1月。「ロシア的人間」という本の序文である。3月スターリン没。7月の朝鮮戦争休戦後、世界中に社会主義国が拡大した。とはいっても、同書が論じるのは政治ではない。

 著者の井筒俊彦(14~93年)は、30余の言語に精通した世界的イスラム学者。実は若い頃、ロシア文学に熱中し、終戦直後の慶応大学で何年も講義していた。

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