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脱炭素社会の実現に向けて原発が世界的に再評価される中、原発大国のフランスで原発に対する風当たりが強まっている。日本と同様、原発のバックエンド(発電が終わった後段階)に対する不信感が募っているからだ。原子力政策と立地地域の関係を長年研究している信州大の茅野恒秀(つねひで)准教授(環境社会学)にバックエンドに関する課題にどう対処すべきか聞いた。
――フランスで使用済み核燃料の貯蔵プール新設計画への大規模な抗議運動が起きています。
◆原子力政策は非常に中央集権的で、都市と地方の格差につけ込んで進めてきた側面があります。フランスの場合、パリ一極集中社会の中で北西部ラアーグにバックエンド関連施設が集中し、立地住民が「何でもかんでも負担を押しつけるな」と反発する動きが出てきている構図だと思います。欧州各国で市民参加型の議論が近年増え、厳しい現実が明らかになってきたことも一因でしょう。
――日本もバックエンドの問題を抱えています。どう見ていますか。
◆日本の原子力政策は「国策民営」という言葉を国も電力会社も都合よく使ってきたといえます。バックエンド問題は常に「急所」であり続けてきました。…
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