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「ONE PIECE」の衝撃=勝田友巳

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2022年邦画興行収入1位「ONE PIECE FILM RED」の一場面
2022年邦画興行収入1位「ONE PIECE FILM RED」の一場面

 2022年の映画界、ちょっとした異変が起きた。邦画の興行収入トップが、東映作品だったのだ。アニメ「ONE PIECE FILM RED」の197億円で、東映作品が1位になったのは1990年の「天と地と」以来、実に32年ぶり。この間ずっと、東宝の天下だった。「ONE PIECE FILM RED」は、東映の年間最高興収記録だった09年の179億円を1作で上回り、全体を325億円に押し上げた。公開中の「THE FIRST SLAM DUNK」も100億円に迫って、21年に創立70年を迎えた東映、好調が続く。

 邦画のアニメ頼みは今に始まったことではないが、22年の当たり方はすさまじかった。2位の「劇場版 呪術廻戦0」(138億円)、以下「すずめの戸締まり」(約131億円)、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(約98億円)と邦画興収の4位までを独占(ちなみに1位以外は東宝作品)。ヒットの目安となる興収10億円以上の26本中、14本がアニメで、興収合計737億円は邦画全興収の半分を超える。

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