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けったいなやっちゃ!

落語家・桂二葉さんが愛してやまない大阪弁の世界を案内します

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勝手に大阪弁案内 けったくそわるい=桂二葉

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イラスト・桂二葉
イラスト・桂二葉

腹立ち過ぎたら笑けてくる

 寄席の出番終わり、一杯だけ飲んで帰ろうと居酒屋へ入った。瓶ビールとどて焼きでぼーっとしてたら、酔っ払いのおっちゃんがフラァ~と入ってきて、消毒用アルコールだけして外へ。「待て! こらぁぁ!」。おっちゃんを追いかけていったお店の大将、「ワレいちびっとったら、いてまうど! こらぁぁ!」と、すごい迫力。めちゃくちゃけったくそわるそうな顔して戻ってきはった。ほんまは次、180円のちくキュウ頼もうと思てたのに、つい500円のカキフライ頼んでしもた! 

 「けったくそわるい」とは「不愉快な。いまいましい。癪(しゃく)にさわる。縁起がわるい」と「大阪ことば事典」にあります。落語「近日息子」には、自分の間違いを絶対認めず、腹立つ顔で言い訳してくる人が出てきます。うなぎ屋で「ねまき一つ」と注文し、友達に「寝間着やなしに、うまきでっしゃろ?」と言われると、「寝間着もうまきも温(ぬく)いもんに違いおまへん」。洋食屋では「ビフカツにかけるホースおまっか?」。…

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