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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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激戦地逃れ、仮設暮らしに漂う無力感 ウクライナ西部リビウは今

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ウクライナ西部リビウの仮設住宅では、東部や南部の激戦地から避難してきた人たちが暮らしている=リビウで2023年2月3日、宮川裕章撮影
ウクライナ西部リビウの仮設住宅では、東部や南部の激戦地から避難してきた人たちが暮らしている=リビウで2023年2月3日、宮川裕章撮影

 ウクライナ西部リビウ市の仮設住宅。停電によって暗闇に包まれた共同食堂で、南部ミコライウから避難してきた農家、ミコラ・グラドキーさん(45)が2歳の息子を遊ばせていた。

 「ロシア軍がまさか自分の町に攻め込んでくるとは思っていなかった。だが昨夏、ロシア軍の攻撃で近隣の町が炎上したのを見て、移住を決意した」と振り返る。昨夏に避難した後、昨年12月に自宅の様子を見にいったんミコライウに戻った。町は破壊され、家の窓は粉々になっていた。町では最近、地雷を踏んだ車が大破し、中から家族連れの遺体が見つかった。子供の安全を考えると、故郷には当面、戻れそうにない。「ロシアのしたことについては、言い表す言葉が見つからない」と語る。

 この仮設住宅では、東部や南部の激戦地から避難してきた人たち約300人が暮らしている。住宅はポーランド政府の協力で建設され、リビウ市が水道や電気、食料などを無料で提供する。リビウ市によると、市内では東部や南部からの国内避難民計約15万人が生活する。

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【ウクライナ侵攻】

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