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滑舌の衰えは万病のもと マスク着用などコロナ対策がもたらす異変

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コロナ下ではマスクを着けるのが当たり前の光景になっている=東京都新宿区で2022年4月2日、西夏生撮影
コロナ下ではマスクを着けるのが当たり前の光景になっている=東京都新宿区で2022年4月2日、西夏生撮影

 口の周りの筋肉が衰えることを指す「オーラルフレイル(虚弱)」。全身の衰えにもつながるとされ、マスク着用や外出自粛など、この3年間の新型コロナウイルスの感染対策が進行を早めている可能性がある。最新の研究結果をひもとくと、オーラルフレイルかどうかを見抜くカギは「滑舌」だという。専門家に予防のポイントも尋ねた。

 「『か』をできるだけ多く発音してください」

 東京大高齢社会総合研究機構の研究チームは、80代の女性にこう呼びかけた。女性が5秒間、「か」を発音すると、機械が回数を測定した。「か」の他にも、「ぱ」と「た」も同様に声を出してもらった。

 この女性は、コロナ前の2019年11月19日には、「か」の発音は1秒間に平均5・8回、「た」は6回だった。しかし、コロナで最初の外出自粛が求められた後の20年7月20日に測ると違いは一目瞭然だった。「た」は4回、「か」は3・8回に低下。日本歯科医師会(日歯)が公表している健康な高齢者の目安である「6回以上」を下回ってしまった。

 東大の研究チームが昨年1月に国際専門誌に発表した論文によると、66~94歳の女性45人について、19年10月~20年2月と、20年7~9月に、「か」と「た」の発音回数をそれぞれ調べたところ、減少傾向にあることが同様に確認されたという。

 これらの発音回数から何が分かるのだろうか。研究チームの飯島勝矢教授(老年医学)によると、…

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