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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ウクライナ侵攻、進み・放置される環境破壊 修復は遠い先か

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砲撃などで破壊された森林を背に立つミハイロ・プロスクリャコフさん=キーウ近郊で2023年2月8日、宮川裕章撮影
砲撃などで破壊された森林を背に立つミハイロ・プロスクリャコフさん=キーウ近郊で2023年2月8日、宮川裕章撮影

 ロシアによる侵攻を受けるウクライナでは、戦闘による環境破壊が進む。だが兵士や市民の命が失われ、重要インフラや市街地が破壊される中、政府が環境保全にあてる時間や資源は限られている。長期にわたり、健康被害を含む深刻な影響が懸念される。

 首都キーウ(キエフ)から西へ延びる高速道路の両脇の森は破壊され、枝の無い裸の木々がまばらに立っていた。高速道路に近いキーウ西郊ストヤンカは、昨年2月のロシアによる侵攻開始当初、キーウに迫ったロシア軍とウクライナ軍がにらみ合う最前線となり、両軍が激しい砲撃を交わした。

砲撃、不発弾、地雷 滞る植林

 高速道路脇に車を止め、キーウ森林管理局のミハイロ・プロスクリャコフさん(50)の後ろについて、切り株の残る雪の上を歩いた。「この付近の森林は砲撃であまりにも損傷を受けたため自力では再生することができない。伐採するしか手段がない」。プロスクリャコフさんが説明する。ロシア軍はこの場所に陣地を築き、ざんごうを掘った。反撃するウクライナ軍は集中砲火を浴びせた。雪上に点々とする赤いくいは、地雷や不発弾の処理が終わったことを示すマークだ。

 破壊を免れた森の中にも、大量の不発弾、地雷が今も残り、除去作業はなかなか進まない。昨年8月には…

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【ウクライナ侵攻】

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