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偵察目的とみられる中国の無人航空機が、沖縄県の尖閣諸島や宮古島付近に飛来する事例が相次いでいる。過去1年半で、領空侵犯の恐れがあるとして航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したケースだけで12件に上った。台湾有事を想定した動きの可能性があるという。無人の飛行物体を巡っては2月、米国が本土上空を通過した中国の偵察気球を撃墜した。ここ数年、正体不明の気球が日本上空でも目撃されている。不審な無人の飛行物体が領空侵犯した場合、どんな対応が可能なのか。専門家からは、難しさを指摘する声もある。
防衛省によると、飛来してきた中国の無人機が日本の領空に入る可能性があるとして、最初に空自が対応したのは2013年9月9日。この時は、尖閣諸島の北東約200キロまで近づき、周回するように飛んで中国の方向へ戻った。前年に政府が尖閣諸島を国有化し、中国軍の動きが活発化していた時期だという。
その後、緊急発進が必要となった無人機の飛来は17年5月と18年4月の2件だった。しかし、21年8月以降は12件と急増した。いずれも領空侵犯は確認されていない。これらの無人機はいずれも尖閣周辺の東シナ海上空を飛行。うち8件は、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋上で折り返し、再び同様のルートを飛行した。防衛省がこれまで確認した中国の無人機は4種類で、うち一つは攻撃能力も備えているとみられる。
沖縄本島と宮古島間を何度も飛行していることについて、防衛研究所の杉浦康之・中国研究室主任研究官は「台湾有事を想定し、電波情報を含むさまざまな情報を集めているのではないか」とみる。杉浦氏によると、台湾有事の際には中国側が日本領空に入らないこのルートに戦闘機や無人機を投入し、東側から接近する米空母をけん制してくる可能性があるという。杉浦氏は「飛行回数を増やし、実戦能力の向上を図っている」とも語る。
一方の気球を巡っては、撃墜された中国の偵察気球と似た物体が20年6月に仙台市上空で目撃された。宮城県が…
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