兄に負け、泣きわめいた ドラ1候補の大阪桐蔭・前田悠伍の原点
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3月18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会。主役候補の注目選手を担当記者が紹介します。大阪桐蔭の前田悠伍投手(2年)は昨春の甲子園もエース格で優勝しました。ドラフト1位候補の原点は、兄との「勝負」でした。
離れた祖母の家まで聞こえるほど泣いた
マウンド上でのひょうひょうとした立ち居振る舞い。精密なコントロール。クールな印象を受けるが、そうではない。誰よりも熱く、負けず嫌い。トランプも、じゃんけんも、野球以外のスポーツも、ゲーム機「Wii(ウィー)」での勝負も――。それが左腕の本来の姿だ。
滋賀県長浜市出身。4学年上の兄・詠仁(えいと)さんの影響で小学2年から野球を始めた。「お兄ちゃんは一番近い、すごい人」。野球でも遊びでも憧れの人だった。兄は地元の伊香高(滋賀)に進み、外野手兼投手としてプレー。会社員となった今は良き相談相手だという。
小さい頃、兄と軟らかいゴムボールを使い、打者と投手に分かれる「1対1」の勝負をほぼ毎日した。「毎回毎回、僕が打たれたり抑えられたりして、でっかい声で泣いていた。いつもおばあちゃんが心配していた」。悔しがって泣きわめく声は、田んぼを挟んだ祖母の家まで聞こえるほどだった。
少年時代の4歳差を埋めるのは難しく、どんな遊びでも勝つことはできない。いつも泣き、怒っていた。それでいて「わざと負けられたら、それは分かるんで」。兄に勝とうと、必死に背中を追った。負けず嫌いの原点となった。
そんな少年期を経て、今では「世代ナンバーワン左腕」と呼ばれるまでになった。下級生ながら主戦として前回のセンバツで優勝し、昨秋の明治神宮大会は史上初の連覇を成し遂げた。今秋のドラフト1位候補と早くも目される。
だが、いいことばかりではなかった。昨夏の甲子園は準々決勝の下関国際(山口)戦で逆転打を浴び、春夏連覇の夢がついえた。試合後は立っていられないほど泣き崩れた。「もう負けない。圧倒的な投球をする」。左腕を突き動かすのは、いつだって負けた悔しさだ。【大東祐紀】
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