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尾上菊五郎聞き書き/41 魚屋宗五郎 「さっさと、1杯目から酔っちゃえ」

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菊五郎の宗五郎(1989年2月歌舞伎座)=松竹提供
菊五郎の宗五郎(1989年2月歌舞伎座)=松竹提供

 五代菊五郎が1883(明治16)年に初演し、六代菊五郎が洗い上げ、二代尾上松緑に受け継がれた世話物の人気作品「魚屋宗五郎」の宗五郎を初役でつとめたのは1989年2月の歌舞伎座であった。

 河竹黙阿弥作で原題は「新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)」。宗五郎の妹お蔦は旗本・磯部主計(かずえ)之介(のすけ)の側室だったが、不義を理由に手打ちにされた。憤る家族をなだめていた宗五郎であったが、お蔦の無実を知らされると、断っていた酒を飲み出す。宗五郎は酒乱ぶりを発揮し、女房おはまの制止を振り切って磯部の館に暴れ込む。

 理非をわきまえた人物と思われていた宗五郎が、酒の杯を重ねるごとに乱れ、父の太兵衛や使用人の三吉にまで暴力を振るうようになる変化が見ものだ。

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