- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

五代菊五郎が1883(明治16)年に初演し、六代菊五郎が洗い上げ、二代尾上松緑に受け継がれた世話物の人気作品「魚屋宗五郎」の宗五郎を初役でつとめたのは1989年2月の歌舞伎座であった。
河竹黙阿弥作で原題は「新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)」。宗五郎の妹お蔦は旗本・磯部主計(かずえ)之介(のすけ)の側室だったが、不義を理由に手打ちにされた。憤る家族をなだめていた宗五郎であったが、お蔦の無実を知らされると、断っていた酒を飲み出す。宗五郎は酒乱ぶりを発揮し、女房おはまの制止を振り切って磯部の館に暴れ込む。
理非をわきまえた人物と思われていた宗五郎が、酒の杯を重ねるごとに乱れ、父の太兵衛や使用人の三吉にまで暴力を振るうようになる変化が見ものだ。
この記事は有料記事です。
残り946文字(全文1277文字)
時系列で見る
-
歌舞伎 三月大歌舞伎 松緑に愛嬌とおかしみ=評・小玉祥子
84日前 -
尾上菊五郎聞き書き/45 歌右衛門の教え 芝居全体を左右するのは女形
87日前 -
歌舞伎 国立劇場3月歌舞伎公演「一条大蔵譚・五條橋」 軽やかに舞う又五郎=評・小玉祥子
91日前 -
尾上菊五郎聞き書き/44 父・梅幸の死 師匠と弟子の気分抜けず
94日前 -
新海誠監督、尾上菊之助さんら19人に芸術選奨大臣賞
99日前 -
国立劇場3月公演・歌舞伎「一條大蔵譚」 84年ぶり、播磨屋の曲舞
100日前 -
尾上菊五郎聞き書き/43 髪結新三 引き出しで作り上げた役
101日前 -
尾上菊五郎聞き書き/42 娘三人道成寺 父とせがれに挟まれ大変
108日前 -
静御前 ヒロイン的存在にも=小玉祥子
108日前 -
尾上菊五郎聞き書き/41 魚屋宗五郎 「さっさと、1杯目から酔っちゃえ」
115日前 -
歌舞伎 二月大歌舞伎 仁左衛門、魅力見せ=評・小玉祥子
115日前 -
尾上菊五郎聞き書き/40 初代辰之助の死 一生分の涙を流し尽くす
122日前 -
尾上菊五郎聞き書き/39 いがみの権太 すっきりとした悪人、善に戻る
129日前 -
歌舞伎 国立劇場「遠山桜天保日記」 盗賊3人の人間模様=評・小玉祥子
135日前 -
尾上菊五郎聞き書き/38 判官と勘平 同日に両役つとめるほど得意に
136日前 -
遠山金四郎景元 遠山の金さん、入れ墨は?=小玉祥子
136日前 -
歌舞伎 「新春浅草歌舞伎」「SANEMORI」 團十郎の実盛、さっそうと=評・小玉祥子
140日前 -
尾上菊五郎聞き書き/37 源九郎狐 若い時は声が出なくなることも
143日前 -
歌舞伎 歌舞伎座「寿 初春大歌舞伎」 七之助の悪婆に色気=評・小玉祥子
147日前