日銀の正副総裁人事、初の女性登用「空振り」 世界潮流に遅れる日本

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南アフリカの自動車工場を視察するイエレン米財務長官。米国の金融政策、財政政策のハンドルも握ってきた=2023年1月26日、AP
南アフリカの自動車工場を視察するイエレン米財務長官。米国の金融政策、財政政策のハンドルも握ってきた=2023年1月26日、AP

 日銀総裁人事をめぐる政府・与党内のパワーバランスが大きく変化する中、変わらないものもあった。今回も正副総裁に女性の起用が見送られたことだ。女性が重責を担うことが珍しくない世界の潮流に乗り遅れた形だ。

 世界の中央銀行や国際機関では女性の活躍が目立っている。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)では2014~18年、ジャネット・イエレン氏が議長を務めた。イエレン氏は現在、米財務長官として経済政策運営の中心となっている。

 欧州中央銀行(ECB)も19年、国際通貨基金(IMF)トップの専務理事を務めていたクリスティーヌ・ラガルド氏が総裁に就任し、ウクライナ危機などに伴う歴史的な物価上昇への対応で先頭に立っている。

 IMFはラガルド氏の後任の専務理事に、世界銀行で長年活躍してきたクリスタリナ・ゲオルギエバ氏が就任。2代続けて女性がトップを務めている。

 ロシア中銀の総裁も女性のエリビラ・ナビウリナ氏だ。ウクライナ侵攻に伴う米欧などの制裁で、経済・金融が大混乱に陥っているロシアにあって、経済崩壊の防波堤となっているナビウリナ氏の手腕は海外でも高く…

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