遺族鳴らす警鐘「今は次の震災前」 大川小津波訴訟の記録と使命
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安全なはずの学校で、わが子はなぜ最期を迎えなければならなかったのか――。東日本大震災の学校管理下で最大の惨事となった宮城県石巻市立大川小学校をめぐり、裁判に挑んだ親たちの姿を追ったドキュメンタリー映画「生きる」が2月18日から全国で順次公開される。震災から12年が過ぎようとする中で、原告となった遺族は「今は震災後ではなく次の震災前。たくさんの人たちに見てほしい」と警鐘を鳴らす。
「結局、うそから始まった。信用できないから撮っていたのが本当のところ」。3年生だった長女未捺(みな)さんを亡くした只野英昭さん(51)は、公開に先立つ1月30日に日本記者クラブ(東京都千代田区)で記者会見し、学校と行政に抱いてきた不信感をあらわにした。長男哲也さん(23)は当時5年生で、校庭にいて津波に襲われながらも奇跡的に助かった4人のうちの1人。124分の作品は、只野さんら遺族が被災直後から撮りためた映像と写真を軸に編集されている。
2011年3月11日午後2時46分の地震発生から、大川小に津波が到達するまでは約51分間。児童は校庭でしばらく待機した後、北上川に架かる橋のたもとに移動を始めたところで津波に襲われた。校長は娘の中学校の卒業式に出席するため午後から休みを取っていて、不在だった。この約51分間に何があったのか。それが遺族の最も知りたいことだった。
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