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杉江能楽堂体験プロジェクト 風格の舞台、活用し継承 大阪・岸和田

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「対置式能楽堂」とされる内部=杉江能楽堂提供
「対置式能楽堂」とされる内部=杉江能楽堂提供

 大阪府岸和田市に残る貴重な能楽堂を次代に伝えていくための「杉江能楽堂体験プロジェクト」が2月後半、同能楽堂で開かれる。19日からの土日祝日に多彩な公演を開き、20~22日、24日には堂内を特別公開。併せて28日まで、ネットを介したクラウドファンディングで企画費用を集めている。

 主催は「杉江能楽堂を活(い)かすプロジェクト実行委員会」(伊地知佳香代表)。同能楽堂は1917(大正6)年、地元のシテ方観世流、杉江桜圀(おうこく)が、岸和田城内にあった能舞台の橋懸かりを譲り受けて創建した。個人宅の一部として長く非公開だったが、2020年に能公演をスタートさせた。

 建物は能舞台と見所(けんしょ)(観客席)が別棟で、屋外の白州(しらす)に採光できる板屋根をかけた「対置式」。明治~大正の一時期に見られた珍しい形式で、22年には国登録有形文化財となった。今回のプロジェクトは、有識者や舞台関係者らで作る同委員会が「この能楽堂を幅広く知ってもらおう」と企画した。

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