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G7を前に周回遅れの日本 世界で進むLGBTの権利保障

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「プライドマーチ」の会場近くで互いに抱き合う「フリーハグ」をする市民=米ニューヨークで2019年6月30日、隅俊之撮影
「プライドマーチ」の会場近くで互いに抱き合う「フリーハグ」をする市民=米ニューヨークで2019年6月30日、隅俊之撮影

 広島で5月に主要7カ国首脳会議(G7サミット)を控える中、国会でLGBTQなど性的少数者を巡る議論が活発化している。だが岸田文雄首相の秘書官を務めた荒井勝喜氏が性的少数者への差別発言で辞任し、LGBT理解増進法案の早期可決さえ見通せていない日本の現状は、世界から後れを取っている。既に30以上の国・地域が同性婚を法制化し、日本以外のG7の6カ国も同性カップルに異性カップルと同等の権利を法律で保障している。

 米ニューヨーク市マンハッタンのグリニッチビレッジ地区に性的少数者が集うバー「ストーンウォール・イン」がある。1969年6月、長く続いてきた弾圧に抵抗する客と警察が衝突した「ストーンウォールの反乱」が起きた場所だ。

 荒井氏は、同性婚のあり方や性的少数者について「見るのも嫌だ」などと発言した。近所に暮らすゲイのピーター・ライシュさん(43)は言う。「プライムミニスターのキシダとミスターアライに伝えてほしい。あなたは嫌でも私たちはここに存在するんだと」

 69年の「反乱」は性的少数者の解放運動が広がる契機となった。1年後のデモ行進は、今では世界各地で行われる性的少数者の祭典「プライドマーチ」の始まりだ。聖地であるストーンウォール・インの隣には2024年夏、運動の歴史を伝える施設ができる。

 だが、性的少数者が同性婚の権利を勝…

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