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「まるで自宅軟禁のようだ」。アフリカ東部ウガンダ出身で、関西在住の30代の女性は日々の大半を自宅で過ごす。同性愛者であることを理由に母国で迫害を受け、日本へ逃れてきた。難民認定を申請したが認められず、不安定な生活を送る。政府が今国会に提出した出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案では、難民認定申請の回数が制限され、不認定が続くと女性は強制送還の対象になる可能性もある。「レズビアンはウガンダで自由に生きることができない」。女性の訴えはなぜ届かないのか。
ウガンダでは最高で終身刑
ウガンダでは同性間の性行為は「自然の摂理に反する」として最高で終身刑が科される。3月にはLGBTQなど性的少数者への処罰がより厳しい法案が議会に提出された。市民にもホモフォビア(同性愛嫌悪)は根強くあるという。女性は日本へ逃れた後も同胞からの差別を恐れ、名前や実年齢、居住地を伏せて取材に応じた。
「ウガンダではレズビアンのいる家族は呪われていると言われる」と女性は話す。母親にカミングアウトした時は、棒で殴られそうになったという。パートナーらレズビアンの人たちと共同生活をしていた時期も、近所に知られないよう昼間は外出を控え、転居を繰り返した。
2017年の初めごろ、男性警察官4人が突然自宅に現れ、パートナーとは別の女性と一緒に逮捕された。逮捕理由は明かされなかった。「お前たちはレズビアンなのか」。警察署で何度も聞かれ、体中を棒で殴られたという。認めた後も暴行は続き、約3カ月間の勾留中、一切治療は受けられなかった。今も尻や右手などに傷痕が残る。
母親が工面した金で釈放され、病院に約7カ月間入院した。警察からは治療後再度出頭するよう言われていたが、再び逮捕されることを恐れ、出頭しなかった。その後、警察署に指名手配のポスターが張り出され、「海外へ逃げるしかない」と決意した。ブローカーを通じてパスポートとビザ、航空券を取得。欧州に逃れたかったが、取得できたビザは日本だけで他に選択肢はなかった。「日本がどこにあるかさえわからなかった。来たチャンスに飛びつくしかなか…
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