スマホそっくり「アクリル板」が話題 一体何に使う!?
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一見するとスマートフォン、でも実際は黒色のアクリル板――。そんなユニークな商品「AcryPhone(アクリフォン)」が話題を呼んでいる。通話やカメラなどの実用的な機能は一切持っていない“ただの板”を、誰が何のために作ったのだろうか。
とことんこだわった「スマホっぽさ」
本物のスマホと並べると、どちらが本物か分からなくなるほどだ。表も裏も黒一色で統一され、縦長の薄い板状のデザインはさながら最新スマホ。手に取ってみると、表面のなめらかな手触りは普段使い慣れた感触に引けを取らない。ただ、タッチパネルやボタンはなく、重さもスマホの半分ほど。次第に「ただのアクリル板」と気付く。
開発したのは、10年以上にわたってユーモラスな発想の「無用品」を手がけるクリエーターの福澤貴之さん(38)だ。
「胸が大きく見えるTシャツ」「ビール缶そっくりな見た目の哺乳瓶カバー」「たたき潰された蚊を表現できるスタンプ」――。東京都台東区の福澤さんのスタジオ「エコードワークス」を訪ねてみると、これまでネット交流サービス(SNS)で話題を集めてきた無用品の名作がずらり。アクリフォンは無用品シリーズの新作だ。
スマホそっくりのただの板が、どんな発想で生まれたのか尋ねると、福澤さんは「ちょっとした偶然なんです」とほほ笑んだ。
きっかけは約1年前。電池が切れたスマホが、ただの黒い板に見えたことから着想を得たという。「スマホが黒い板に見えるなら、ただの黒い板もスマホに見えるのでは」
既製品のアクリル板を切り出して試作品を作ってみると、これが思った以上に「スマホっぽい」。だが、福澤さんの理想には何かが足りない。そこで、試しにスマホ画面用の保護フィルムを張り付けてみると、格段に「スマホっぽさ」が増したという。
「形状そのものではなく、フィルムの輪郭やかすかな光沢などから“らしさ”が感じられるようだ。だったら、フィルムやケースでカスタマイズできるようにしたら面白いかもしれない」と遊び心が膨らんだ。
ただ作業は一筋縄ではいかない。…
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