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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ロシア国民の無関心と諦めが戦争を支える ウクライナ侵攻1年

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ウクライナへの「特別軍事作戦」の開始から1年を迎え、「ウクライナの詩人の碑」に花を手向ける人たち=モスクワで2023年2月24日、大前仁撮影
ウクライナへの「特別軍事作戦」の開始から1年を迎え、「ウクライナの詩人の碑」に花を手向ける人たち=モスクワで2023年2月24日、大前仁撮影

 ロシアのウクライナ侵攻から1年。6万人以上のロシア側兵士が死亡したと伝えられているが、ロシア国民のプーチン政権と戦争への支持は高いままだ。国民の本心は? どうすれば戦争をやめさせられるのか? ロシアの世論調査データに注目してきた浜由樹子静岡県立大准教授は、国民の無力感が戦争を支える構図がみえると指摘する。【聞き手・鈴木英生】

本気で戦争支持のロシア人は少ない?

 ――ロシアの民間世論調査機関「レバダセンター」の昨年12月調査で、プーチン大統領の支持率は81%で、ウクライナ侵攻直後(3月)の83%と同レベルです。やはり、世論は戦争支持一色ですね。

 ◆それは少し慎重に見る必要があります。確かに、開戦後一貫して、7~8割の人が政権と「特別軍事作戦」を支持しています。ただし、ロシア社会には「支持する方が無難」という意識が充満しているようです。推定15%程度は、本音を隠して「支持」を選ぶようです。むしろ、「不支持」が常に2割程度あることに注目すべきです。ロシアには、まだこの程度の言論の自由があります。回答率も考慮すべきでしょう。

 民間世論調査機関「ロシアンフィールド」が公表した電話調査の拒否率は、約9割にのぼります。圧倒的多数の人が意思表示自体を嫌がっています。積極的に支持する人が多ければ、そんなことはあり得ません。

 ――実は、熱狂的な戦争支持者は少数派だと。

 ◆全体の数%かもしれません。ただし、この間、「ウクライナ東部ドンバス地方はネオナチの半軍事組織に抑圧されてきた」といった物語がテレビなどを通じて広く浸透してきました。この戦争を「人道的介入」だと信じている人が多いのも事実です。ともあれ、えん戦ムードはじわじわと広がっていそうです。

政治離れが著しく、諦めモードか

 ――それが、反戦とまではいかない。

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【ウクライナ侵攻】

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