ヒグマと人、距離感崩れた30年 保護か駆除か 野生動物の管理岐路
毎日新聞
2023/3/2 11:30(最終更新 3/2 11:30)
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ヒグマの市街地への出没を防ぐため、北海道は今春から狩猟期間外だった春先のヒグマ猟の許可を市町村に出した。保護か、それとも駆除か――。ヒグマと遭遇してけがをする住民が増える中、両極で揺れ動いた北海道を代表する野生動物の管理は岐路を迎えている。駆除の先にあるのは「人との共生」と道は説明する。だが、なぜ「駆除」が「共に生きる」ことに結びつくのか。道が野生動物と人間社会のあつれきを解決するために示そうとする新たな指針とは。【真貝恒平】
2021年6月18日早朝、札幌市東区の市街地にヒグマが突如現れ、4人の住民を襲った。JR札幌駅から北東約3キロ、市営地下鉄で四つしか離れていない駅の近くだった。ごみ出しに家を出た70代男性が、隣家との隙間(すきま)にいたヒグマに出くわし、慌てて倒れたところ、背中に乗られた。
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