「白熱する日韓戦」は過去のこと? 韓国野球界の現在地
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野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの頂点を狙う日本代表「侍ジャパン」にとって、1次リーグ最大の難敵が10日に対戦する韓国だ。隣国同士の熱い「日韓戦」は、これまでいくつもの名勝負を生んできた。互いに野球強国として「宿命のライバル」とも言われてきた関係だが、近年の韓国球界の現状を見ると、その様相は少し変わってきているようだ。
国際舞台で低迷する韓国
「韓国球界は近年、世界で目立った成績を残せていない。関心も低下しており、厳しい状況と言える」
こう語るのは韓国野球ジャーナリストの室井昌也さん(50)だ。2002年から取材を続け、韓国プロ野球についての著書も出版するなど現地の野球に精通している。室井さんによると、韓国では国際大会の成績がそのまま国内プロ野球の熱気や人気につながる傾向にあり、国際大会での低迷が国内人気を直撃している形だという。
韓国代表はかつて、国際舞台でも上位進出の常連国だった。08年の北京夏季オリンピックでは9戦全勝で金メダルを獲得。翌09年の第2回WBCは決勝で日本に敗れたものの、準優勝を飾った。この時期は韓国国内でも野球熱が盛り上がり、注目度も右肩上がりに高まったという。しかし、そこがピークだった。13年第3回WBC、17年第4回WBCと2大会連続で1次リーグ敗退。21年東京五輪は準決勝で日本に敗れて6チーム中4位に終わった。
韓国球界の低迷の要因として室井さんが挙げるのが、…
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