
政府は2月14日、4月で任期満了となる日銀の黒田東彦総裁の後任に、元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する人事案を国会に提示した。2013年の就任直後から10年間にわたって異次元の金融緩和政策を主導してきた黒田氏が去ることで、金融政策はどう変化するのか。植田・日銀の今後と課題を検証する。
期待薄れる金融政策正常化 白井さゆり・元日銀審議委員
植田氏や私が務めた日銀審議委員には自分の意見を貫ける自由度があり、金融政策を決める金融政策決定会合で時には反対票を投じることもできる。これに対し、日銀総裁には金融政策へのぶれない姿勢が求められる。植田氏には物価の動向や金融政策の狙いを分かりやすく丹念に説明し続ける覚悟が必要となる。
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