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野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が8日に開幕し、日本は9日に初戦を迎える。今大会は各国メンバーに多くの大リーガーが参戦するなど豪華な顔ぶれとなり、中でも大会連覇を狙う米国はスター選手が集って過去最高のチームとなった。「本気度に欠ける」と言われてきた野球大国がWBCに本腰を入れるようになった背景と、「世界一」を決める大会に残された課題とは。
「現役最強打者」の呼びかけ
「ここにいる最大の理由はWBCで勝つため。国のためにプレーするのは素晴らしいこと」。1月、オンライン記者会見に臨んだ米国代表主将のマイク・トラウト外野手(エンゼルス)は期待感に満ちた表情で大会への意気込みを語った。
3度のアメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に輝き、「現役最強打者」との呼び声が高いトラウト選手を筆頭に、米国代表はポール・ゴールドシュミット内野手(カージナルス)やムーキー・ベッツ外野手(ドジャース)らMVP獲得経験のある強打者、タイトルホルダーをそろえる豪華布陣となった。
輝かしいキャリアを歩んできたトラウト選手だが、WBCは今回が初出場だ。悩んだ末に出場を見送った前回2017年大会で米国が初優勝し、歓喜の輪が広がる光景に、不参加の決断を「後悔した」と明かす。今回は早々に参戦意向を表明し、周囲の選手にも参加を呼びかけて回ったことも、メンバー入りした選手たちに影響を与えたとみられる。
WBCは「スター選手が集まることで野球人気が世界に広まる」という米大リーグ機構(MLB)の国際戦略の一環として、米大リーグ選手会とともに作る組織が主催して06年に第1回大会が開催された。
だが、大会はシーズン開幕前の3月開催。普段より早いペースでの調整が必要となり、故障のリスクも増える。米国は「ワールドシリーズ」と銘打った「世界一決定戦」を国内リーグで長年実施してきた国でもあり、自分たちが主導して作った大会ながら、当初は球団、選手もWBCに対して前向きとは言えなかった。
そんな流れの中で「潮目」を変えることになったのが、…
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