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侍ジャパン記者通信

後輩が背を追う「優しい牧さん」 裏表ない人柄の根底にあるもの

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2019年12月に母校・松本第一高に集まった川船龍星投手(右)、牧秀悟選手(右から2人目)ら。後列左は元DeNA選手の百瀬大騎さん=川船投手提供
2019年12月に母校・松本第一高に集まった川船龍星投手(右)、牧秀悟選手(右から2人目)ら。後列左は元DeNA選手の百瀬大騎さん=川船投手提供

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表入りを果たしたDeNAの牧秀悟内野手(24)は、その巧みなバットコントロールはもちろん、明るく前向きな人柄も大きな魅力だ。学生時代に同じ部屋で過ごし、その人柄に触れた後輩たちは「優しい牧さん」の背中を追い続けている。

 「野球に貪欲で、ひたむき。すごく魅力的な人でした」。そう語るのは、長野・松本第一高時代の後輩で、現在は社会人野球の日本通運でプレーする川船龍星投手(23)だ。

 1学年上の牧選手とは、寮の4人部屋で生活し、2段ベッドの上と下に寝ていた。「牧さんはいつも部屋を散らかして、片付けないんですよ。脱ぎっぱなしの服を僕らが片付けてました」。笑いながら、共に過ごした日々を振り返る。

 明るく優しいが、野球には厳しく、頼れる先輩だった。当時から打席では勝負強かったが、どんなに結果を残しても、鼻にかけるような様子をまったく見せないのが印象的だった。「牧さんが自慢話をすることはなかったですね。いつも、『まだまだ』って感じで。たぶん、目指しているゴールがすごく高い所にあるから」。自分の調子や結果で感情の浮き沈みを見せることはなく、「勝っても負けても練習する人でした」という。

 牧選手は松本第一高で甲子園初出場を目指したが、夏の県大会は1年時は準々決勝敗退、その後は2年連続で初戦で涙をのんだ。「もっと力を付けたい」とプロ志望届は出さず、進学を選んだ。

 中央大入学当時は、全国的には無名だった。頭角を現したのは3年になってから。ウエートトレーニングで体が大きくなり、ボールへの対応力、ミート力も格段に増した。3年夏に大学日本代表に選出されると、日米大学野球選手権で中軸として活躍。21年にドラフト2位でDeNAに入団した。

 どれほど注目されても、プロ入りしても、その人柄は変わらなかった。中央大の寮で牧選手と同部屋で、昨秋のドラフト5位でヤクルト入りした北村恵吾選手(22)は…

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