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南宋時代の武俠(ぶきょう)小説に密室殺人を組み合わせた『老虎残夢』で江戸川乱歩賞を受賞した桃野雑派。その受賞後第1作『星くずの殺人』(講談社)の舞台となるのは宇宙である。
民間宇宙旅行会社による宇宙ホテル<星くず>へのモニターツアーが実施された。だが、到着後間もなく、副機長兼添乗員の土師は、ホテル内の倉庫で機長の遺体を発見した。無重力状態の中で首つり状態で死亡していたのだ。会社の方針でツアー続行が決まるが、通信機能が喪失するなど不穏な事態が続き、第2の殺人が起きる。
SFと特殊設定を融合させたミステリーだ。容疑者は6人のツアー客に絞られる。土師の決死の行動で受信できた地球からの警告により、乗ってきた宇宙船による帰還もかなわない。巨大な密室と化した宇宙ホテルの中での犯人捜しが始まった。
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