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松尾貴史のちょっと違和感

放送タレント・松尾貴史さんのコラム。テレビから政治まで、「違和感」のある話題を取り上げます。

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湯の完全入れ替え年2回 掃除もそれだけってことに…

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温泉旅館ドラマ「細うで繁盛記」より 松尾貴史さん作
温泉旅館ドラマ「細うで繁盛記」より 松尾貴史さん作

 福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉 大丸別荘」が、旅館業法などに基づく県の条例で週1回以上必要とされる湯の完全入れ替えを、社長の指示で年2回しか行わず、レジオネラ属菌が一時基準値の3700倍も検出されたそうだ。重ねて、消毒用塩素の注入も怠っていたことが分かった。

 家庭用の循環式浴槽(24時間風呂など)で、レジオネラ属菌が繁殖した問題が過去にも取り沙汰されたことがあった。この菌は温度が20度から50度あたりで増殖する性質があるそうで、温泉などはまさに温床となるのだろう。発熱や肺炎などを引き起こす恐れが高く、重症な場合は死に至ることもあるという。

 大丸別荘の問題は、旅館の利用者が体調不良を訴え、医療機関で細菌感染症「レジオネラ症」と診断されたことが端緒になった。県保健所の検査で基準値の2倍のレジオネラ属菌が検出されたが、旅館側は、その後の独自検査で基準値を超える菌は検出されなかったとして営業を再開。しかし、県保健所の再検査で基準値を大幅に超える菌が検出された。旅館側の無責任さにはただあきれるばかりだ。

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