- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

英国の王室が揺れている。チャールズ国王(74)の次男ヘンリー王子(38)=2020年に王室の公務を離脱し、現在は米国在住=が今年に入り、「暴露本」を出版。兄のウィリアム皇太子(40)から暴力を振るわれたなどと主張し、英国内は騒然となった。国王が王子との和解を模索し、英国国教会の聖職者に「仲介役」を依頼したとも報じられる。王室はどこへ向かうのか。騒動の背景を探った。【ロンドン篠田航一】
赤裸々な中身、兄との確執も
「彼らは盤上から消されるチェスの駒だった」。王子は1月10日に出版された著書「スペア」の中で、自身がアフガニスタン従軍中にイスラム主義組織タリバンの戦闘員計25人を殺害したことを告白。タリバン兵を「人」とは思わず、チェスの駒を取る感覚だったと振り返ったため、国内外から「戦闘とはいえ、人命を奪う行為を誇示するのは不謹慎」との声が上がった。
タイトルの「スペア」は、英紙ガーディアンによると、地位を受け継ぐのは長男のみで、次男は「あくまで予備(スペア)」という王族や貴族間での古い言い伝えが由来という。
「スペア」では兄弟の確執も記される。…
この記事は有料記事です。
残り1826文字(全文2303文字)