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御厨貴さんと読む「安倍晋三回顧録」 官僚不信、浮き彫りに

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記者会見で辞任を表明する安倍晋三首相=首相官邸で2020年8月28日午後5時37分、竹内幹撮影
記者会見で辞任を表明する安倍晋三首相=首相官邸で2020年8月28日午後5時37分、竹内幹撮影

 とにかく生々しいのだ。昨年7月8日に銃撃され、死亡した安倍晋三元首相の「安倍晋三回顧録」(中央公論新社)のことである。歴代首相らのオーラルヒストリー(口述記録)を手がけてきた東京大名誉教授で政治学者の御厨貴さん(71)と一緒に、回顧録で明かされた最長政権の内幕を読み解くと――。

 「これは回顧録というよりも闘争録ですね。1期目の政権がひどい終わり方をして、そこからカムバックした2期目で7年9カ月の長期政権を築いた。大変な闘争心です。これまで現実と戦ってきた安倍氏が、今度は回顧録の中で自分を評価する歴史と必死に戦っているかのようです」。御厨さんは、回顧録の印象をこう語るのである。

 安倍氏は2020年9月の首相辞任直後から回顧録の口述を始めていた。インタビュアーは読売新聞の橋本五郎特別編集委員ら。20年10月から翌21年10月まで18回、計36時間続けられたという。中曽根康弘元首相は本格的な回顧録「天地有情」を退任後10年近くたってから残したように、政治家の回顧録はその影響の大きさや関係者への配慮から時間を置いて公表されることが多い。退任後2年余での出版は異例だ。

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